トップページ自然と環境サンゴの白化現象
最終更新2001.6.12

海水温の上昇等によりサンゴに共生している褐虫藻がサンゴの体から抜け出してしまい,サンゴの骨格が透けて見えるようになり,白っぽく見える.このため,白化現象と呼ばれている.高温の他に,強光,低塩分濃度,などによっても白化が起こることが報告されている.

異常高水温が一時的なものであれば,褐虫藻はまたサンゴに戻り白化は回復するが,水温が極端に高かったり,高温が長く続くと,白化したサンゴはやがて死滅に至る.

気象条件により晴天が続き雨が降らなかったり,台風が少なかったりし,海水温が上昇しすぎたため発生している.台風は海水を撹乱し海水温を下げる大きな役割を果たすと考えられている.また,このような気象的な現象は温暖化やエルニーニョと関係があるのではないかと議論されている.

白化によって死亡したサンゴの骨格はは数週間の後に褐色の藻類に覆われ,やがては瓦礫となり,砂が生産される.1998年の夏に大規模な白化現象が起きたが,現在では徐々に回復しつつある.