ミャンマー国内交通事情

飛行機

ミャンマー国内においては高い移動手段だが,日本の国内線に比べれば遙かに安く利用できる.600km離れたヤンゴン→マンダレーなどは1時間強のフライトで85ドル前後だ.

他の交通機関では恐ろしく時間がかかるような長距離の移動では実に快適で速く利用価値が高い.特に短期間の旅行では国内線飛行機の利用は必須.

泊まっているホテルなどでチケットを手配してもらっても良いし,インターネットを利用すれば日本でもチケットを押さえることが可能.だが,現地で買うよりもちょっと高い.

列車

ミャンマーの列車はおすすめできないという記述をガイドブックやインターネットのサイトで時々目にするが,私はそうは思わない.むしろ勧めたい.機会を作って1区間くらいはバスの代わりに利用して欲しい.いやだったら次からバスにすればいい.

料金はバスよりもやや高く,ドル建て払いとなる.地元料金と比べると頭にくる差額だが,地元の人たちと交流を持ちたいと思うならうってつけの移動だろう.普通席(オーディナリークラス)ならよりいっそう周りの人たちとの交流がもてるのは確実.いろいろな物売りも来るし,駅に止まる旅に窓からいろいろなものも買える.

長距離バスよりも窮屈感が少ないのも良い.ただ,木のベンチがイスなので長時間はおしりが痛くなるかも.時間帯によっては夜行になるがよく眠るのはまずまず困難だろう.

ヤンゴン=マンダレーの区間やタージー=シュエニャウン(インレー湖の玄関口),マンダレーから北東にシャン高原にのびるピンウーリン,シーポー,ラーショー方面が利用しやすそうだ.

マンダレー=ラーショー線ではピンウーリンから数時間ラーショー方面に走ったところにある世界第2位の高さのゴッティー鉄橋や,マンダレー=ピンウーリン間の山登り区間のスイッチバックも見ものだ.

タージーからシュエニャウンに向かう山登り区間にもスイッチバックやループがあり見もの.

鉄道好きにはたまらない旅となりそうである.なお,エアコンなどはある由もなく窓,ドア全開で走行.風景は十二分にいやでも満喫できそうだ.ティンジャン(水掛祭り)の近くになるとフライングした子供たちが窓越しに走行中の列車に向かってバシャーとやってくることもあった.

速度は山岳区間ではスイッチバックや制限速度で非常におそい.バスの倍とかの時間がかかる場合があるが,平地区間ではそれなりの速度になる.時刻表は当てにならず,途中駅でどんどん遅延が累積し,数時間単位で遅延するのが普通.

普通クラスのチケットは出発の数時間前から発売される.1等車はさらに割高なので乗ったことがない.ちょっとのぞいたら,シートがちょっとクッションがあったりした.

長距離バス

道路さえあれば路線ができるバスは網目状に主要都市同士を結んでいる.鉄道よりも遙かにきめ細かい路線となるので旅行にも飛行機と並んで,特にバックパック旅行にはよく使われる交通手段.

ヤンゴン=マンダレー,バガン,インレー湖など数え切れない路線が日夜走り続けている.ほとんどのエリアへ向かうことが可能だ.料金も安い.

車体は会社により日本の中古路線バスから中古観光バスクラスまで幅があり,料金,サービスも微妙に異なる.

長距離では夜通し走る路線が多い.悪路が多く,舗装されていると言うことはいかに大変なことなのかを実感できること請け合い.よく眠れる訳はなく,間違いなく寝不足になる.昼夜問わず数時間おきに数十分の休憩が入る.

運転手や車掌によってはミャンマーカラオケやビデオ,歌を大音量で流します.

私はエーヤワーディ川のバガン=マンダレーとラカイン州のシットウェー=ミャウーを利用.こちらもドル建てでやや割高.のんびりと大河を行く経験は日本ではできないからやってみる価値有り.沿岸の村にも何回か寄港しそれぞれの風物が楽しめる.

ミニバス

マイクロバス.長距離バスとピックアップの中間的存在.中距離区間を結ぶ.たとえばマンダレー=インレー湖方面とか.

車内は狭いので疲労度はやや高い.運賃は安い.沿線の地元客の乗降の度に止まる.走行時間の長い場合には休憩もあり.

ピックアップ

トラックを改造して荷台に座席,屋根にも乗れるように改造したもの.

上のバス群に比較して短距離を走る.市内を回るものから幹線道路を比較的長距離はしるもの,幹線道路沿いの街から奥まった村々を結ぶものと路線数は到底把握不能.

村と村を結ぶような時に利用価値は大きい.たとえば,インレー湖までの交通ではバスは幹線道路で降ろされることが多く,そこからインレー湖までは20分ほどピックアップで登ることになる.

ピックアップさえ走っていれば乗り継ぎ乗り継ぎ遠くまで冒険旅行ができそうだ.

車内は女子供優先.男衆は屋根の上が優先席.眺めと換気は良いものの,直射日光雨風砂埃に注意.雨の場合はビニールシートをかぶるように用意されている.

市内バス

ヤンゴンやマンダレーのような都市で運行.タクシーやサイカーよりも遙かに安く移動できる.混むことが多い.難点は路線の把握.何番がどこに行くか,どこに行くには何番か,地元客に聞かないといけない.
ミャンマー数字の理解は必須か.

タクシー

短距離から長距離のチャーターまでさまざまに利用できます.急いでいる時はバスに比べて非常に速いので有効.ただし,高い.

空港との往復や公共交通もろくにないところや不便なところに行くには有用.高いと言っても日本の感覚で行くと異常に安い.

メーター制ではないので利用前に料金の交渉を必ずする.

ヤンゴンでは日本の中古車が全盛だがマンダレーでは写真のようなさらに古い日本車がタクシーとなっている。

タクシーは屋根に表示を上げているので識別できる。

サイカー

サイドカーのついたチャリ.タクシーに乗るまでも無いけど歩くとちょっと遠いといった数キロ程度の移動に有効.タクシーよりかは安い.1台に乗客2人まで搭載可能.

ヤンゴン市街地では乗り入れなしだが、マンダレーなどの地方都市では欠かせない乗り物。

ホテルをはじめ道端で客待ちしている。良いドライバーに当たると観光も楽しくなる。

最もゆっくり町並みが眺められる.

もちろん料金の交渉が必要.

その他

レンタルサイクルは主要観光地に有り.好きなところにいけて料金も安いが,中国製の旧型車が多く,整備も不良気味なのでよく検査してから選ぶ.炎天下とパンクに注意.

歩きはトレッキングに好適なルートはカロー,インレー湖,シーポーなどシャン高原一帯に.

タイで多いバイクの後ろに乗るモーターサイはミャンマーではみたことがない(タイ国境付近はわからない).許可されていないのか.

バガンでの観光は馬車がお勧め。